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『CHEER DOWN』はジョージの曲名からです。エリック・クラプトンが音楽担当した映画『リーサルウェポン』シリーズ。そのシリーズの『リーサル・ウェポン2 炎の約束』のエンディング曲でもありました。91年のクラブトンとの来日コンサートでも元気に歌っていたのが今でも忘れられません。実は『CHEER DOWN』という英語は存在しません。ジョージの造語なんです。『がんばって!』と掛け声を掛ける時に『CHEER UP !』と言いますが、ジョージは『無理をしなくていいよ』という意味でこの言葉を作りました。

マスターの独り言

ここは小さなバー、CHEER DOWN。マスターの日記です。

3.「深海の宇宙生物」

深海の宇宙生物

「深海の宇宙生物」

ジョン・ウインダム作 / 斉藤伯好 訳・長新太 絵

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「あらすじ」

放送記者のマイク・ワトソン。

奥さんのフィリスとアフリカの海を旅行、突然、船の近くに火の玉が複数落ちてくる。

ロンドンに報告するが、ただの不思議な出来事として片付けられる。

調べると、世界中で火の玉は目撃されている。

全て海に落ちているのだ。

火の玉を調べようと、潜水球が沈められる。

が、潜水球は深海でワイヤーが熱で溶けたように切られる。

中の乗組員と一緒に潜水球は消える。

はじめて恐怖を覚える人類。

ボッカー博士は太陽系の中で気圧が高い木星からの生物の飛来と発表。

「その生物と仲良くしよう」

という意見は無視され、原爆をうちこむ人類。

敵は自分たちの住みやすい環境に地球を変えようとする。

こうして、深海の姿無き敵との戦いがはじまる。

ある日、大西洋のブラジルの島、サフィラ島に半年振りにやって来た連絡船。

人かげがまったくない。

他の島でも同じようなことが起こり、海から何かが這い上がってきたような後が二本、海へ向かって二本の後が残っていた・・・

敵の反撃が始まった。

はたして人類の未来は?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

原作の「The Kraken Wakes(Out of the Deeps) (1953)」を、児童向けに編訳したものです。

『海竜めざめる』 星新一訳、早川書房
『海底の怪』 国松文雄訳、東京元々社

などで訳されて出版されていますので、よければこちらでも。

海竜めざめる (ハヤカワ文庫 SF 264)

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ジョン・ウインダム

(John Wyndham, 1903年7月10日 - 1969年3月11日)

イギリス生まれ。

デビュー作はイギリスのSF雑誌Wonder Storiesに掲載された「世界交換(Worlds to Barter)」という短編でした。

侵略テーマかつ破滅テーマSFの名作『トリフィド時代』を発表し、一躍名を高めました。

SF出身作家の作品は、ほとんど単行本化されておらず、古典文学中心のペーパーバックである「ペンギンブックス」に初収録されたSFであり、「SFが大人の鑑賞に堪える文学になった」として、世界の読書界に衝撃を与えました。

映画化された作品もあります。

『人類SOS』Day of the Triffids、1963年(米)

『未知空間の恐怖 光る眼』1963年(英)

『光る眼』Village of the Damned, 1995年(米)

などです。

・・・・・・・・・・・

斉藤伯好(さいとうはくこう)

1935年~2006年8月8日没。

東京生まれ。

明治政経学部卒。

日本ペンクラブ、日本SF作家クラブ、日本推理作家協会、少年文芸作家クラブ会員。

好きなものはネコと翻訳。

大学4年だった21歳のときに上級職国家公務員試験に合格。

22歳から38年間のサラリーマン生活をしながら、早川書房、角川書店、講談社、新潮社、扶桑社、岩崎書店、あかね書房、金の星社などから、約250冊を翻訳。60歳から専業翻訳家となり、著訳書は3百冊を越えた。

25歳のときに、星新一「ボッコちゃん」を英訳して「The Magazine of Fantasy and Science Fiction」に掲載。

同年、ドイル「マラコット海淵」で英文和訳の翻訳家として、プロデビュー。

「日本SF作家クラブ」の創立に参加。

「スター・トレック(宇宙大作戦、新宇宙大作戦)シリーズ」を30年間にわたり翻訳。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

長新太(ちょう しんた)

1927年9月24日 - 2005年6月25日。

独特のユーモア、脈絡の無い展開、不条理、等の形容がなされることが多い。

氏のエッセイによると、常識に囚われた〝大人″には眉をひそめられたり、時には苦情の手紙すらくることもあるとのことだが、子供からは絶大な人気を得ている。

大人のなかにも熱狂的なファンが多数いる。

児童文学作品の挿絵でも評価が高い。

1948年、 毎日新聞の漫画コンクールに応募作品「ロングスカート」が一等入選、これを機に毎日新聞東京本社に入社。

1955年、 同社を退社し、本格的に作家活動を始める。

1958年、 「がんばれさるのさらんくん」で絵本作家としてデビュー。

絵本の他にイラストレーション、エッセイなどの分野でも活動した。

1994年、紫綬褒章。

2005年6月25日、中咽頭癌のため東京都渋谷区の病院で死去。享年77。

本名は鈴木しゅう治。

ペンネームは1949年のデビュー当時に毎日新聞社の編集側が命名したもので、その由来は、コンクール作品の題名「ロングスカート」より「長」、新人の「新」、図太く行けとの願いを込めて「太」となった。

・・・・・・・・・・

この本を最初に読んだ小学生の頃、スッキリしなかったのを覚えています。

結末が子供には判りづらかったのです。

当時は同じ原作者と知らずに、秋田書店SF恐怖シリーズ「植物人間 地球滅亡の日」というのを買ってもらいますが、こちらのほうが面白かったと記憶しています。

地球滅亡の日

これは、「The Day of the Triffids」の邦題で、「あとがき」には、映画「人類SOS」のことなどが書かれていました。

大人になって「深海の宇宙生物」を読み返し、やっとオモシロさに気付きました。

敵に襲われ、主人公たちが静かに耐え、来るべき反撃のチャンスを待って耐え忍ぶあたりは、今読み返せば共通しています。

・・・・・・・・・

小学生の頃、長新太さんの関係の本を好んで手に取っていた記憶も今回よみがえりました。

最初、神沢 利子さんの挿絵で長新太さんの絵に遭遇します。

例により、学校の図書館です。

「いたずらラッコのロッコ」という本です。

いたずらラッコのロッコ

いたずらラッコのロッコ (日本の創作児童文学選)

(1968年出版で未だに版を重ねているみたいです)

はじめてラッコという生き物を知りましたし、そのホノボノのした絵を模写したりしました。

氏の絵本で「やまがあるいたよ」も非常におもしろかった記憶があります。

・・・・・・・・・・・・・・

30年以上前に読んだ本ですが、当時判らなかった面白さが理解できて非常に良かったです。

ジョン・ウィンダムはやはり優れた作家さんだと再認識しました。

「真の恐怖とはどういうことか?」

描写のうまさについ考えさせられます。

スッキリせず「未解決だろ?」と当時の足らない頭でくすぶっていたのが晴れただけでもよかったです。





この記事に対するコメント


自分の好きなジャンルなので楽しく拝読しました。誰かさんのゴミ箱逝き映画ブログよりもロジックで教養があって面白いです。負けました・・・; マスターのこの本のシリーズブログ、続けてくださいね。
【2008/10/22 05:49】 URL | century plant #- [ 編集 ] top


いや、誰かさんの映画ブログも楽しいです。
記事記載の後、「恐怖新聞」のように届かないかとドキドキしてるんですがね・・・

てか、「暇」と比例してブログが長文になってます・・・

「勝ち」「負け」なんかはいらんです。

目がかなり悪くなってきましたので、字が読めなくなる前に読破です。
昔のポップな挿絵はいいですよ。
是非、図書館で予約してみてください。

一冊一晩で読めますよ。

【2008/10/22 07:36】 URL | マスター #JVj0pP5U [ 編集 ] top


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