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『CHEER DOWN』はジョージの曲名からです。エリック・クラプトンが音楽担当した映画『リーサルウェポン』シリーズ。そのシリーズの『リーサル・ウェポン2 炎の約束』のエンディング曲でもありました。91年のクラブトンとの来日コンサートでも元気に歌っていたのが今でも忘れられません。実は『CHEER DOWN』という英語は存在しません。ジョージの造語なんです。『がんばって!』と掛け声を掛ける時に『CHEER UP !』と言いますが、ジョージは『無理をしなくていいよ』という意味でこの言葉を作りました。

マスターの独り言

ここは小さなバー、CHEER DOWN。マスターの日記です。

2.「27世紀の発明王」

SF ことども図書館 27世紀の発明王

「27世紀の発明王」

ガーンズバック作 / 福島正実 訳・真鍋博 絵

27世紀の発明王 [冒険ファンタジー名作選(第1期)] (冒険ファンタジー名作選)27世紀の発明王 [冒険ファンタジー名作選(第1期)] (冒険ファンタジー名作選)
(2003/10/15)
ヒューゴー ガーンズバック大塚 あきら

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「あらすじ」

27世紀のニューヨークに住む青年「ラルフ一二四C四一プラス」は発明王、人類の誇りである。

名前の後の「プラス」は世界でも十人にしか与えられていない称号。

世間の煩わしさが嫌で、部屋にとじこもり今日も発明に没頭する。

ある日友人の「エドワード三五〇B」と「テレビ電話」で話していると「混線」となってしまう。

偶然アルプスに住む少女「アリス二一二B四二三」に繋がってしまう。

雪山に五日間も閉じ込められたアリス。

通話中、大なだれの警報が鳴る。

遠く離れたニューヨークから、電波を使い、なだれを食い止めアリスを救う。

一躍ヒーローになったラルフ。

それを苦々しく見ている一人の青年と火星人。

ラルフとアリスに訪れる災難に27世紀の発明王ラルフは打ち勝てるのか?

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ヒューゴー・ガーンズバック

(Hugo Gernsback、1884年8月16日 - 1967年8月19日)

アメリカの小説家、SF作家、編集者。

SFの著名な賞であるヒューゴー賞はガーンズバックにちなんで名づけられた。

アメリカのSFの大元老と言われる人です。

ルクセンブルクで生まれたガーンズバックはドイツの電気学校で学び、新しい蓄電池の発明をして特許を取ろうとするが、ドイツ、フランスの役所は認めてくれない。

全財産200ドルを持って1904年にアメリカへ移り住み、ラジオの組み立てセットの販売などの事業を行った。

組み立てセットとしては世界で初めてのもので、アメリカのヘンリー・フォード博物館にも初期のめずらしい組み立てラジオとして陳列されているらしいです。

アメリカの大衆が科学技術に疎いことを知り、これを啓蒙するため1908年に世界初の無線雑誌『モダン・エレクトリックス』を創刊しました。

1911年の四月号を編集していたとき、あてにしていた原稿が入らなくなり、今まで自分で考えていた科学技術の発達した世界の話を小説にして連載しはじめます。

12回に渡って連載したSF小説『ラルフ124C41+ ──2660年のロマンス』が評判となりました。

それが今回の「27世紀の発明王」です。

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本の中に「テレビの全国ネットワーク」、「テレビ電話」、「電磁地下鉄」、「モーター・コースター」などが出てきます。

小説の中では、それがどのような仕組みなのか簡単な説明が入ります。

読んでいて「何を今更・・」と思ったりします。

が、この小説が発表されたのは1911年。

日本は明治44年。
アメリカ各地で電話会社が開業しはじめたのが1878年 。

東京・横浜で電話サービス開始が1890年。

この小説の頃は、グルグルとハンドルを回し、交換手を呼び出して相手に繋いでもらう電話機の時代。

この小説でのガーンズバックの予言の的中にはビックリです。

天文学者ローウェルは「火星の暗いすじは運河で、そのスケールからみて、それを建設した火星人はすばらしい科学の力を持つ文明人らしい」

H.G.ウェルズなどにこの説は影響を与え、ウェルズやジュール・ベルヌにあこがれていたガーンズバックもこの小説に火星人を出します。

化け物としての火星人ではなく、人間に近い存在としてです。

火星人に関しては予想が外れそうですが(未だいないと言い切れないので)、そんな時代に未来の生活を予想していたのは驚かされます。

あまりに違和感が無さ過ぎて、近未来の恋愛小説に思えました。

1911年の人には「驚愕」に値する「夢物語」だったのでしょう。

無線雑誌『モダン・エレクトリックス』というのがミソ。

他のSFと違うのは、あくまで予想できる未来のテクノロジーを使った話というところです。

因みに、 ロシアのボリス・ロージング、ブラウン管を用いたテレビの送信実験を初めて公開。簡単な輪郭の受像に成功したのが1911年 です。

その時点で「テレビ電話」の発想ができるのはすごいことです。

27世紀を待たずとも、この小説の中でガーンズバックの予想していた未来は現在普通のものとなっています。


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福島正実(ふくしま まさみ)

(1929年2月18日 - 1976年4月9日)

1956年に早川書房に入社。

翌1957年、「ハヤカワ・ファンタジー」(のちに「ハヤカワSFシリーズ」)を立ち上げる。

1959年には、『SFマガジン』を創刊。1969年に退社するまで初代編集長を務めた。

(「SFマガジン」、「ハヤカワSFシリーズ」いずれも、カバー絵は中島靖侃の抽象画であり、「幼稚な文学」とみなされないよう配慮した。また、既成文壇からSFへの批判や、無理解な評論等があると、全身全霊をもって反論活動を行った。)

1960年、SFマガジン誌上で空想科学小説コンテストを開催、1963年、日本SF作家クラブを創設するなど、草創期の日本SF界での日本のSF作家の育成に尽力を尽くしました。

東宝映画『マタンゴ』『ゴジラ対メカゴジラ』東映映画『海底大戦争』の原作などでも知られています。

(ただし、いわゆる怪獣ブームとSFが混同されることには反撥していました)


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真鍋博(まなべひろし)

(1932年7月3日 - 2000年10月31日)

愛媛県新居浜市出身のイラストレーター、アニメーター、エッセイストです。

星新一さんの挿絵などでよく見る、抽象的で洗練されたイラストで、子供の頃から想像力を書き立てられます。

一瞬、無機質とも思える直線的なイラストは未来やSFにはとてもよく合っていて、古さを感じさせない。






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