
「
ミート・ザ・ビートルズ / 米国盤編集アルバム」より続く。
ザ・ビートルズ・セカンド・アルバム / The Beatles’ Second Album米国盤編集アルバム
1964年4月10日アメリカ発売/1970年8月25日日本発売
「ビルボード」誌全米アルバム・チャート最高位1位(5週)/トップ100在位53週マルチ・プラチナディスク×2(=200万枚/1997年1月10日認定)
帯のタイトル
「米国でのセカンド・アルバム。ロックン・ロールの流れを変えた大英帝国の誇り、ビートルズのパワーの結集」
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このアルバムの帯は「フォーエバー帯」です。
管理人がビートルズのレコードを買い始めたころは、ビートルズの帯が「フォーエバー帯」から「国旗帯」への移行期。
前回の「ミート・ザ・ビートルズ」は「国旗帯」でアメリカの国旗になっています。
この「ザ・ビートルズ・セカンド・アルバム」は、まだ「フォーエバー帯」の頃の早い時期に手にした思い入れの多い、渋い選曲のアルバムです。
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英オリジナル「ウィズ・ザ・ビートルズ」から、前作米編集アルバム「ミート・ザ・ビートルズ」の収録されていない5曲と、シングル曲から4曲、イギリスではまだ未発表だった2曲「ロング・トール・サリー」「アイ・コール・ユア・ネーム」(2ヶ月後には英EPで発売された)合計11曲が収容されています。
この11曲という曲数は、当時のアメリカでは収録曲数が13曲以上になると印税が高くなってしまうという事情があり、英オリジナルの14曲をそのままリリースできないため、米独自編集で曲数を削りたい、ということと、余った曲を使って売れているうちにアルバムを水増しして多くの売り上げを上げたい、という主に2つの思惑があったようです。
またシングル曲では3曲の配給権問題が裁判で係争中なのにリリースしていることも、キャピトルの強気が感じられます。
(版権は 「サンキュー・ガール」 Vee-Jay,「シー・ラヴズ・ユー」「アイル・ゲット・ユー」 Swan が所有していました。EMIはこの小さな会社が印税を支払っていないことに対する裁判を起こしていました。)
日本では、1970年にリリース。
その前に同じジャケットで1964年に「ビートルズ No.2!(The Beatles’ Second Album)」という日本編集盤を出しているますが、独自編集で収録曲が本アルバムとも違ったものになっています。
似たジャケットなので、「ミート・ザ・ビートルズ」同様、入手する際に注意が必要。
いちばん見分けやすいのは帯ですが、帯なしを入手するときはジャケット右端に「featuring She Loves You and Roll Over Beethoven」がアメリカ盤です。
収録曲
アナログA面
1.ロール・オーヴァー・ベートーヴェン
2.サンキュー・ガール
3.ユー・リアリー・ゴッタ・ホールド・オン・ミー
4.デヴィル・イン・ハー・ハート
5.マネー
6.ユー・キャント・ドゥ・ザット ※疑似ステレオ
アナログB面
1.ロング・トール・サリー
2.アイ・コール・ユア・ネーム
3.プリーズ・ミスター・ポストマン
4.アイル・ゲット・ユー ※疑似ステレオ
5.シー・ラヴズ・ユー ※疑似ステレオ
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「ウィズ・ザ・ビートルズ」からの収録
• ロール・オーヴァー・ベートーヴェン
• ユー・リアリー・ゴッタ・ホールド・オン・ミー
• デヴィル・イン・ハー・ハート
• マネー –
• プリーズ・ミスター・ポストマン
「ア・ハード・デイズ・ナイト」からの収録
•ユー・キャント・ドゥ・ザット※疑似ステレオ
英EP 「ロング・トール・サリー」からの収録
• ロング・トール・サリー
• アイ・コール・ユア・ネーム
シングルから収録
•1964年英シングル「キャント・バイ・ミー・ラヴ / ユー・キャント・ドゥ・ザット」
•1963年英シングル「フロム・ミー・トゥ・ユー / サンキュー・ガール 」
•1963年英シングル「シー・ラヴズ・ユー / アイル・ゲット・ユー」
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今回の2014年版の「ザ・ビートルズ・セカンド・アルバム」。
先ほど、僕が「思い入れの多い」と書いたのですが、別物になっちゃってました。
まず、このアルバムはアナログ(ステレオ)の一曲目から、風呂場で音を鳴らしているのか?いうぐらいのリバーブというか、エコーの掛りすぎの気持ち悪い音のレコードだった・・・
それが、今回2014年版CDのステレオは、2009年リマスタリングのリアルステレオに差し替えられています。
で、日本ではモノラル盤を販売していませんでしたが、モノラル盤はステレオをただモノにしただけの偽モノでした。
2014年版のモノは、ちゃんとと言ったらおかしいが、2009年リマスタリングのモノテイクを使用。
ちゃんと(?)ステレオテイクをモノにしただけという、当時の残念なままのを収録してほしかった。
まあ、日本ではこの「ザ・ビートルズ・セカンド・アルバム」のモノのアナログは発売していなかったから、モノ・バージョンに関しては目をつぶっても、あのエコーの効いたステレオは好きだったんだよ・・・・
当時の、やたらとリバーブの掛かったステレオ盤。
それと、もっと許せないのが「アイ・コール・ユア・ネーム」。
本来「アイ・コール・ユア・ネーム」は、モノラルとステレオではイントロの部分に大きく違いがあります。
◦ジョージの12弦ギターのフレーズがステレオとモノラルでは全く異なる。
◦モノラルではイントロからカウベルが入っているが、ステレオでは「But you're not there」の直前から入ってくる。
◦ステレオでは歌い出しの「I Call Your Name」のみシングルトラックだが、モノラルでは最初からダブルトラック。
アメリカ盤「ビートルズ・セカンド・アルバム」に収められていたステレオバージョンは、「I call you name」の[call]からカウベルが入ってくるという、このアルバムだけのバージョンでした。
が、モノはモノ、ステレオはステレオと2009年のリマスターバージョンに差し替えられてます。
本来、アメリカ盤「ビートルズ・セカンド・アルバム」に収められていたステレオバージョン。
残念な音は残念なまま復刻して欲しかった。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2014年版CD
2009年のリマスタリング音源にしてあり、よほど有名なテイク違い以外は、疑似ステレオは真ステレオに差し替えられてしまってます。
21 トラックの「I’LL GET YOU」と 22 トラックの「SHE LOVES YOU」は疑似ステレオだったので、テイクの同じモノテイクを収録。
わざわざ「疑似ステレオ」にはしてくれていないです。
17トラックの「YOU CAN’T DO THAT」は当時疑似ステレオだったけど、2009年版リマスターステレオに差し替え。
Mono Mix
1 ROLL OVER BEETHOVEN
2 THANK YOU GIRL
3 YOU REALLY GOT A HOLD ON ME
4 DEVIL IN HER HEART
5 MONEY
6 YOU CAN’T DO THAT
7 LONG TALL SALLY
8 I CALL YOUR NAME
9 PLEASE MR. POSTMAN
10 I’LL GET YOU
11 SHE LOVES YOU
Stereo Mix
12 ROLL OVER BEETHOVEN
13 THANK YOU GIRL
14 YOU REALLY GOT A HOLD ON ME
15 DEVIL IN HER HEART
16 MONEY
17 YOU CAN’T DO THAT
18 LONG TALL SALLY
19 I CALL YOUR NAME
20 PLEASE MR. POSTMAN
21 I’LL GET YOU*
22 SHE LOVES YOU*
* mono recordings