小学校の頃、母が週に一度勤めの帰りに「週間少年サンデー」と「週間少年ジャンプ」を買ってきてくれるのが楽しみだった。
小遣いとは別に買ってくれるのは、子供の僕に寂しい思いをさせている罪滅ぼしでもあったのだろう。
「荒野の少年イサム」「侍ジャイアンツ」「はだしのゲン」「サーキットの狼」etc。
幼い冒険心を主人公に託し、空想の世界で遊んでいた。
中学になり、母の元を離れてからは雑誌も小遣いで賄わくてはいけなくなり「週間少年ジャンプ」は購読を止める。
他に欲しい本が沢山あったし、読書感想用の本も自分で購入しないといけなかった。
(この頃読んだ本の大半は図書館で借りたものであり、手元には無い。買っておけばよかったと思うタイトルも思い出せない本は大半図書館所有である)
小学校の高学年の頃、「週間少年ジャンプ」に「手塚賞」「赤塚賞」という新人漫画家を募集する催しが行われていた(今もあるのかな?)。
で、ある年の「手塚賞」の発表作品に僕は圧倒された。
新人とは思えない圧倒的な画力。
SFであるのだが、作品に漂う悲壮感。
少年の僕は何度も読み返した。
作品の名は「はるかなる朝」。作者は「星野之宣」氏だった。
その後、星野氏は「週間少年ジャンプ」に「ブルーシイーティー」を連載。
以来、僕は氏のファンである。
氏の作品はSFなのだが、宇宙物、未来物、恐竜物、歴史物、いずれも専門の大学教授さえ唸らせる良質の作品である。
最近の氏の作品に「宗像教授伝奇考」という伝記物シリーズがあった。
(高橋英樹氏が主人公を演じたTVドラマもあったので知っている人も多いと思うが・・・)
一応完結していたのだが、「宗像教授異考禄」として「第一集」が発売された。
本屋にてこの第一集を手に取る。
ふと隣をみると、やはり星野氏の作品で「神南火」という作品が。
氏の作品自体に飢えていたので一緒に購入。
まず「宗像教授異考禄」を読む。
相変わらず唸らせる内容。
一話目の「巫女の血脈」は哀しい。
「天平のメリー・クリスマス」では、なぜ聖徳太子のイメージがキリストに似ているのか?誰がキリスト教のメッセージを「日本書紀」の中に織り込んだのか?
というようなことを「羊太夫」に絡めて話は進む。
ここで登場人物として宗像教授のライバルの忌部捷一郎の妹の「忌部神奈」なる女性が宗像教授とお互いの見地の違いでぶつかる。
当然、宗像教授に軍配は上がってこの話は終わる。
「第一集」を読み終え、続けて「神南火」を読む。
なんと、先程の「忌部神奈」が主人公である。
「宗像教授異考禄」では軽く触れた「羊太夫」のことが別のエビソードとなり、再度語られるあたりは心憎い。
前評判高くて実際はつまらん映画みるなら、絶対お勧めの漫画です。
星野之宣に駄作なし。
こんにちは。
「2001夜物語」は以前、マスターからお借りして拝読させて頂きました。深淵で大きく広がる「星野之宣ワールド」を初めて経験しました。「宗像教授異考禄」もマスターが熱く語るオススメ本でしたね。今度読んでみようかな。
>「前評判高くて実際はつまらん映画みるなら・・・」
↑ 深く反省すると共に、胸に刻んでおきます;
【2006/06/28 09:06】
URL | century plant #- [
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こんにちわ。
「前評判高くて実際はつまらん映画みるなら・・・」というのは、映画好きのcentury plantさんへの嫌味では無く、最近立て続けに映画を観て、ガックリというのが何本かありました。
漫画というとバカにする人もいますが、同じ2次元で表現する娯楽と考えています。
当然、定価同じでしょうもない漫画もあります。
century plantさんには、J.P.ホーガン原作の「未来二つの顔」なんかもお勧めですね。
【2006/06/28 15:01】
URL | マスター #WO.8kER. [
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