
今週は殆ど仕事にならず・・・・
僕のような仕事だと、人が来ないとほとんどヒッキー状態。
今週は友人のお通夜で同窓生と会ったり、素泊まりの鬼頭さんぐらいとしか接することが無かった。
そんな中、割と話をしたのが、先日までお名前も知らなかったNさん。
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実はもっと早く書きたかったのだが「大型自動二輪」の免許を取った。
事の始まりは「ダイエットレース」が発端となり「写真部」を作ろうという話まで遡るが、ここでは割愛。
年末にでも今年の出来事として一挙に語りたい・・・・
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知り合いなんかからは「ロック検定」とかは?
とか勧められたが、好きで聞いてるロックを興味の無いアーチストまで難しい勉強して覚えてどうする?
しかも、周りを見ていて、検定の級を取ると、その後内容は忘れても、検定を取ったという事実がステイタスなのもどうかと思い却下。
ということで、排気量に縛られなくするため「大型自動二輪」を・・・・
待合室は「普通自動二輪」と同じで、前の授業を終えた、元気な明るい女性が教官と入って来る。
失敗しているのに元気な彼女。
少し話すと、結婚されていて、子育ての合間に、やはり自己啓発も兼ねて、家族から反対されたけど「普通自動二輪」を取りに来ていると。
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何十年も前に四輪の免許を取った御同輩、改めてなんでもいいから教習を受けると「慣れ」からいかに自分が愚かな運転をしていたか気が付きますよ。
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で、卒検のとき、彼女と一緒になった。
「一緒なんですね、緊張しますぅー!」
彼女は「普通二輪」のコース、僕は「大型二輪」コースを黒板に貼り出されてから必死で覚える。
といっても、大抵は復習していればいいのだが、このブログの読者なら判るが、前日まで四国へ行ったり、来客があったり、まったくコースが頭に入っていない・・・・
すると、彼女が、
「ここはどうやって曲がったらいいんですかね?」
「ここはどうやったほうが?・・・」
と色々質問を受ける。
曲がり方を教えたり、他の教習車が近づいて来た時の対処方法なんかを話す。
検定って「事故を起こさないための物で、自分の腕前を披露するものではない」と思う。
例えば、対向車の動きが判らなければ、すばやく動くより、じっと止まるほうが懸命・・・と、僕は思っている。
まず、「大型二輪」の検定が終わり、続いて「普通二輪」の彼女。
心配なんで「緊張するから見ないでください」と言っていた彼女の視界に入らないところから見る。
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後半、右折しようとする彼女の前方で、四輪の教習車が左ウインカーを出したまま、バイクの彼女を見てあせったのかエンスト、なかなか発進しない。
向こうの四輪が優先・・・
まさか、本当に検定前に対処法の話をしていたことが起こるとは・
彼女は動じず、その車の前を横切ることなく停止を守る。
普通なら「検定」がストップしていると焦って、行ってしまいそうになるハズ。
見かねた四輪側の横に乗っている教官が、彼女に右折するよう促す。
その後、課題をクリアして発着点にゴール。
先ほどの出来事がマイナスに響いたのではないかと心配している彼女に、
「あそこで指示の無いうちに「発進」していたら、そこで「検定」は中止になっていたよ」
と言う。
「ああいうときは「止まれ」って言ってもらってたので落ち着いて止まってられました」
と、彼女。
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その後、その場にいた全員は待合室で待たされる。
「受かってるのかな?」
という彼女に、
「時間が掛っているのは必要書類を作っているということ、だから受かっていると思う」
「でも、緊張するーっ・・・・」
受付の女の子に「合否」を聞きに行って、時間が掛かっているのを文句言っている40代男性までいる始末。
困った顔をする女子職員・・・
ハーレー乗っても、こんなんじゃあモテないと思うけど・・・
「僕はね、思うんだけど、もし落ちていたら、それはそれでありがたいこと。あなたには子供がいるんでしょ?その子供が未熟なドライバーに惹き殺されたら、キミは相手を許さないでしょ?簡単に卒業できなくてもいいから安全で歩行者に優しいライダーになりたいな、僕は・・・」
「そうですね」
「それにね、これは関係ないけど、こうやって緊張して「合否」を待っているのも「幸せ」だと思うよ。世の中には、まだまだやりたいことがあるのに、出来ずに死んでいく人もいるんだから・・・」
と、昨日亡くなった友達のことなんかを思い出す。
「震災に遭って、免許も取れずに亡くなった若い命もいるんだから、僕たちが今ここで緊張しているのは幸せなことだと思うよ」
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しばらくして全員の合格が告げられ、必要な書類を貰うと、先ほどまでのオロオロが嘘のように免許センターに一目散に行く人。
すると彼女が衝撃的な一言を言った。
「自転車も乗れないワタシが受かるなんて夢みたーい!!」・・・・・・・・・・・・・
ツッコミも入れられないくらいの衝撃発言。
そりゃ、家族も反対するって・・・・・
前に家族が反対するって聞いたとき「がんばれ」って言ったのは自転車乗れないの知らなかったもの・・・
自分で自分の限界を決めて「僕には無理」と自分に壁を勝手に作っている人は多い。
そういうのに辛口で、今回の「大型自動二輪」だったんだけど・・・(例によって「どうせ口だけでしょ?」って言われたのは先月の半ば)
彼女のすごさには「感心」していいものか「あきれて」いいものか・・・
彼女は「補習券」を8枚切ったって言ったけど、そりゃ、支えが無ければ自立出来ないバイクを運転するんだし・・・
一瞬、自転車の練習みたいに、バイクの後ろを持って走っている教官の姿を連想したよ。
いずれにしても、僕は「敗北感」をこのとき味わった。
アラフィフの「大型自動二輪」取得より、自転車乗れない子育てに追われる主婦の「普通二輪」のほうがやっぱり凄いよ!!!
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僕は昨晩から鬼頭さんが泊まりに来ていて、1時までに自宅に戻る約束にしていた。
「どうされるんですか?」
と、訊かれたので、以前なら早速免許センターに行って、取得した免許を見せびらかしたいとこだが、今日は用事があるので、明日、免許センターでなく、倉敷署の方へ申請に行くことを伝える。
それに、免許センターにこれから行くなら、1時~1時半が受付なので、教官に「お礼」も言えない。
彼女も、自分がお世話になった教官に挨拶がしたいからと、後日、倉敷署に行くとのことだった。
休憩時間になるのを待っている間に彼女に、
「あのね、もし、明日の申請にすれば、「23年11月11日交付」で西暦だと2011年で11並びで忘れなくて済むんだよ」
というと、
「ホントだ」
と、笑っていた。
教官に御指導くださったお礼を二人で言いに行き、おたがい名前も告げず判れ、ピースサイン。
ライダーはこういうもんである。
先に書いたが、彼女が僕に「検定」のことで色々質問してきたときに教えていたのは、昔、先輩から
「ライダーは困っている人を見たら迷わず手を貸せ。自分が困ったら迷わず助けを求めろ」
と、言われていたのを思い出した。
若い時なんで、ほとんど助けてもらってばかりだったけど・・・
舞鶴で、パンクの修理を助けてくれたオジサン、元気かな?
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本日、指定の時間に倉敷署横の免許センターへ適正試験を受けに。
順番に書類を出し、写真を取り終えたころ、入り口に息を切らせて入って来たのは彼女だった。
係の人に頼み、乳母車を上げてもらってた・・・
「どうしたの?」
って訊くと、
「今日は子供がいるから無理かなって思ってたけど、電話して訊いたら、子供を連れてきても良いって聞いたし、私も「11」並びがいいなと思って」
それまで「無愛想」と思っていた受付のお姉さんも、彼女の娘さんを見て顔を綻ばせた。
ほんとに、この彼女のくったくのない「元気」さで救われた局面は多い。
昨日の「検定」も「復習」が出来てなかったけど、彼女の質問の連続で、思いだせたことが多かったもの。
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受付時間はまだ大丈夫だったので、彼女も受け付け、「適性試験」を受け、写真を撮って免許を待つ。
待っている間、彼女の御苗字がNさんだったことを思い出す。
Nさんの愛娘「メイサ」ちゃん一歳。
大変な別嬪さん。
写真ではちょっと不機嫌そうだけど・・・・
「こんなに可愛いと、お嫁にやるとき、お父さん大暴れだね」
「絶対嫁にはやらんって言ってますうーっ」
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彼女はカワサキのバルカンを購入予定。
うーん、ナオちゃんといい、カワサキ人気は凄いね・・・・・
「うちの店にもW400に乗っている女の子がいて、よくツーリングに行ってるみたいよ」
というと、
「是非御紹介してくださーい」
といってた。
23年11月11日交付の免許を返してもらい、帰り際、
「今日の出来事で書いても良い」
と聴くと、親子でニッコリとカメラに収まってくださった・・・
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僕の「大型自動二輪」の話は、もっと12月にシリーズ化して書く予定で、先にバラしたくなかったのですが、この素敵な親子と今週出会い、感謝の意味も込め書こうとすると、どうしても書かざるをえなかったので・・・
バラしたので言いますが、
「オヤっさんは自ら『仮面ライダー』を目指す」
という話です。