引っ越しの多かった僕。
子供の頃から本の多くは既に処分してある。
本やレコードというのは引越屋さんが嫌がる。
それに、会社員時代、転勤でアパートを探す際、手当は独身だとだいたい同じ額の支給で、転勤時期が悪いと狭いアパートしか借りれない。
広い部屋を借りれば家賃が高い。
手当の超過分は自己負担となる。
そういうこともあり、多くの本とレコードは手放した。
お客さんが、
「沢山レコードもっていますね」
と、言われても、以前ならこの三倍は所有していたのだ。
それでも、いくらかの本やレコードは大事に持っていた。
レコードに関しては、現在の仕事になりようやく日の目を見た。
「いつかロックバーをするときにはレコードをガンガン掛け、壁にはポスターを・・」
といっていたのはなんとか実行出来た。
まだまだ貼りたいポスターはあるんだけど・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
何の気なしに何年間も開けていなかった箱に目をやる。
移動させようと思い持ち上げると底が抜ける。
バサバサ・・
と、床に広がる本の数々。
その中に、昔好きだった「秋元文庫」が・・・
・・・・・・・・・・・・・・

街の書店からいつのまにか姿を消してしまった秋元文庫。
みつはしちかこさんのしおりがついており、紙の質も良く、好きな文庫だった。

大好きだったNHK少年ドラマシリーズ「未来からの挑戦」の原作本「地獄の才能」。
この小説をきっかけに眉村卓氏のSFにハマったと記憶している。
眉村氏にハマってからは角川文庫も買いあさったが、やはり秋元文庫が好きだった。
それは依光隆氏の挿絵によるところが大きいと思う。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
それらのSFを読み漁り、秋元文庫に自分読むものがなくなったかなと思っていたら、ビートルズの小説が・・

昭和51年に初版の「小説ビートルズ」はビートルズを聞き始めた中学生の僕のバイブルとなる。
(他にもビートルズの関連本はあったのでちと大袈裟か・・)
まるでその場にいたかのようにメンバーのやり取りが書かれてる。
司馬遼太郎並み・・・
たとえば、
・・・・・・・・・・・・・・
「ね、ジョン。今日はママが大奮発していいものを買って来たわ。まだ、十月五日のお誕生日には間があるけど。プレゼントするわ」
ジョンは、ジュリアの嬉しそうな顔を見ていると、自分の誕生日が「十月九日だよ」と、訂正する気にはなれなかった。
・・・・・・・・・・・・・・
これは子供時代にジョンがジュリアからバンジョーを貰うワンシーン。
当時は、本当にこういう感じだったんだと思ってました。
小説になっている分、感情移入がしやすかったのが、当時の僕のビートルズ熱を高めるのに一役かっていたのでしょう。
「小説ビートルズ」は四人の誕生から(当然、一番年上のリンゴの話からスタート)リンゴがメンバーに加わり、アビーロードスタジオで初レコーディングするまで。
一年後に「ビートルズの栄光」として続刊が発売。
本屋で「続きが読める」と狂喜乱舞したのを覚えている。
内容はプロデビューから解散まで。
その一年後「小説ポール・マッカートニー」で秋元文庫のビートルズシリーズは終わる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今回、この文庫が出てきて思い出したことがある。
元々はクラスの好きだった女の子が「未来からの挑戦」の「飛鳥清明(役名)」のファンだった。
で、僕も見始め原作を購入。
厳密には少ドラの「未来からの挑戦」は眉村氏の「地獄の才能」と「ねらわれた学園」の二作が原作。
その後角川文庫で「ねらわれた学園」も読みますが・・
また、ビートルズの小説を学校に持っていき、休み時間に取り出して読み、
「オレって洋楽に興味あるんだぜ」
とばかりに、女子の気を引こうとしたり・・思い返しただけでも「ハドゥカシー」。
(確かビートルズの小説が出たころは、初恋の彼女は別のクラス)
そんな早春の頃の思い出がよみがえった。
久しぶりに読み返そうかな・・・・・・・・
ハローグッバイ
まだグッバイはしない。いずきです。
本やレコード(というか今はCD)を捨てるのは凄まじいほどの勇気がいります。
だから部屋が窮屈だな、と感じたら実家にCDや本を送って親に保管してもらっています。
まだ読んでない本は老後の楽しみに……
「いつか読む」はだいたい読まないというのが経験談ですね、僕の。
マスターさんのやっているようなロックバーてのは楽しそうです。
どんな酒や食事を出すのか、どのような内装にするのか、どんな音楽を流すのか、なんて。
マスターさんが店を構えているのは岡山ですか? ちょっぴり遠いですね。いつか行ってみたいです。
>ビートルズの小説
小説……ってことは嘘とかも多分に含まれているのですかね。
何だかスゴク興味があります。
【2010/07/16 23:11】
URL | いずき #0TN6pzxw [
編集 ]
こんにちは。
当時は親とも行き来がなかったので、荷物を預けるところもなく、実家に住民票を置きっぱなしの人がうらやましかったです。
店は倉敷です。
このブログに店のホムペのリンクもあるので見てくださいね。
>ビートルズの小説
基本、会話の部分は嘘と思いますが、アンソロジーなど出ていなかった情報の少ない時代。
必死で読んでいました。
読み返して間違いがあれば、また感想文でも書いて見ます。
【2010/07/17 00:13】
URL | マスター #- [
編集 ]
『小説ビートルズ』興味津々です。存在すら知りませんでした。感想文楽しみに待ってます!
【2010/07/17 07:33】
URL |
赤井川塾 #H6hNXAII [
編集 ]
こんにちは。
そうですね。また、読み返したら書きたいと思います。
【2010/07/17 11:16】
URL | マスター #- [
編集 ]
トラックバックURL
→http://cheerdown.blog7.fc2.com/tb.php/1392-e9eff62d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)