「光る雪の恐怖」ホールデン作 / 内田 庶・井上洋介 絵
同出版社では挿絵を替えて版を重ねています。
イラストは福井 典子さん。
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あらすじケインフィールドの町だけを襲った局地的な吹雪。
新聞記者のデビッドはドワイト編集長の友人でもあるネイサン教授が人口雨の実験をしていたことを知る。
関連を調べるため、ネイサン教授のところへ向かう。
教授の家から出てきたのは教授の娘のカレンだった。
ガンで母親を亡くし、教授の身の回りの世話は彼女がしている。
カレンとの親交も深まる中、次々と起こる怪事件。
生き物が干からびて発見される事件、ついには人がミイラとなって発見される。
教授の研究と事件の関連は?
果たして人々を恐怖に陥れる事件を解決させることは出来るのか?
記者デビッドの奮闘がドキドキの作品。
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感想面白い話でした。
形のハッキリしない怪物の恐怖。
このお話は映画で見たいと思いました。
3Dなんかで見たら面白いかも。
人間の知恵で怪物をやっつけるというストーリーは多いですが、その怪物のアイデアが勝負なのでしょう。
この「光る雪の恐怖」はタイトルからも解るとおり「雪」が怪物なのですが、寒さ、暗さという点において、秀逸な怪物ではないでしょうか。
吹雪の夜を経験された人なら、あのすさまじい風の音が人を襲う怪物の声に聞こえたこともあるでしょう。
作者が「雪」を怪物にしようと思い立つのも自然な話。
このお話に恐怖を感じるのは、この辺の体験の度合いも左右されるでしょう。
南国の人で、吹雪の夜の恐怖を感じたことがない人は、あまり怖さがつたわらないかもしれません。
で、そういう人にも解りやすいよう映画で見たいなぁと思いました。
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リチャード・ホールデンアメリカの作家。
明細不明。
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内田庶(うちだ ちかし、1928年11月6日 - )
本名・宮田昇。
戦後、近代文学社勤務ののち、1952年早川書房編集者。
のち退社し、チャールズ・イー・タトル商会で翻訳エージェントとなる。
その後、独立して矢野浩三郎と「矢野著作権事務所」(のち日本ユニ・エージェンシー)を興す。
ペンネームの内田名義で児童向け作品の執筆、翻訳を多数行った他、本名の宮田名義で翻訳出版史の著作がある。
妻は「SFマガジン」初代編集長の福島正実の妹。
福島が創設した「少年文芸作家クラブ」にも参加。福島の没後に内田の提案により、「少年文芸作家クラブ」と岩崎書店の共催で福島正実記念SF童話賞が創設された。
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井上洋介7.「月世界探検」を参照。
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