「超人の島」スティープルドン作 / 矢野 徹 訳・水田秀穂 絵
・・・・・・・・・・・・・
あらすじトーマス家の一番下の男の子ジョン。
彼は幼いころから変わっていた。
が、頭は良く、スラスラ難しい本を読み、機械をいじるのが好きであった。
彼は色々な発明を秘密基地でこっそり作り、私の名前で発表してくれという。
子供だと信用してもらえないからだ。
彼は自分と同じ仲間を探そうとしていた。
そのためにお金が必要らしい。
ジョンからしてみれば我々は下等な「動物」らしい。
同じ「人間」と暮らしたいらしい。
ジョンは地図に載っていない島を探し、そこに世界中に居る、自分と同じ孤独な重いをしている仲間たちと暮らそうと計画する。
・・・・・・・・・・・・・・
感想非常に変わったお話でした。
この本はもともと「おかしなジョン(オッド・ジョン)」といい、「私」が伝記としてジョンという少年の一生を書いた形になっています。
特別な能力を持った少年と仲間たちの儚くも短い一生が綴られています。
ひょっとしたら本当の出来事だったのかも?とも思える作品でした。
超人たちは世界制服を目論むわけでもなく、ひっそりと暮らしたかったのです。
その地味さがこの作品の独特な雰囲気を引き出しているのでしょう。
・・・・・・・・・・・・・・・
オラフ・ステープルドン(William Olaf Stapledon, 1886年5月10日 - 1950年9月6日)
イギリスのリヴァプールの南のウィラルで生まれ、6歳までは父親の赴任先であるエジプトのポートサイドで過ごした。
オックスフォード大学のベイリオル・カレッジで近代史を学ぶ。
第一次世界大戦では救急部隊に所属。
1920年にリヴァプール大学で哲学の博士号を取得、その後、英文学、哲学、心理学の講師を務めるなどした。
1919年に従姉妹のアグネスと結婚。
1930年に発表した『最後にして最初の人類』で小説家として認められた。
1948年にはポーランドで開かれた「平和のための世界識者会議」に出席。
同年、英国惑星間協会でアーサー・C・クラークの招待を受け講演した。
1950年9月6日に、冠状動脈閉塞で死去した。
2001年に、第1回コードウェイナー・スミス再発見賞を贈られた。
・・・・・・・・・・・・・・・・
矢野 徹「超能力部隊」の項参照。・・・・・・・・・・・・・・・・・・
水田秀穂「星からきた探偵」でも書きましたが、詳細は不明です。
トラックバックURL
→http://cheerdown.blog7.fc2.com/tb.php/1262-673956b7
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)