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『CHEER DOWN』はジョージの曲名からです。エリック・クラプトンが音楽担当した映画『リーサルウェポン』シリーズ。そのシリーズの『リーサル・ウェポン2 炎の約束』のエンディング曲でもありました。91年のクラブトンとの来日コンサートでも元気に歌っていたのが今でも忘れられません。実は『CHEER DOWN』という英語は存在しません。ジョージの造語なんです。『がんばって!』と掛け声を掛ける時に『CHEER UP !』と言いますが、ジョージは『無理をしなくていいよ』という意味でこの言葉を作りました。

マスターの独り言

ここは小さなバー、CHEER DOWN。マスターの日記です。

マジック・クリスチャン・ミュージック / バッドフィンガー

アイビーズ名義「メイビー・トゥモロー」の失敗。

アップル側は彼らになぜかグループ名の変更を要求する。

確かに「アイビーズ」では「ホリーズ」の二番煎じで一昔前のセンス。

60年代末期のバンドにしては、らしくない。

ポール・マッカートニーは「ホーム」「マザーズ・ヘルパー」、ジョン・レノンが「プリックス」というバンド名を提案。

結局ニール・アスピナールの提案の「バッドフィンガー」に落ち着く。

これはビートルズの「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・マイ・フレンズ」の仮題「バッドフィンガー・ブギ」からとったものです。

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アップルはリンゴ・スターの出演映画「マジック・クリスチャン」に、バンド名を改名した「バッドフィンガー」のナンバーを押し込む。

タイトル曲は、ポール・マッカートニーの書いた「カム・アンド・ゲット・イット」。

-「ザ・ビートルズ・レコーディングセッションズ」ポール・マッカートニーのインタビューより-

「前略・・・・ビートルズのセッション前に20分ぐらいで作ったんだ。・・・・・中略・・・・・・メリー・ホプキンの「グッバイ」のデモも録ったんだけど、、これが両方ともいい出来だった。

だからバッドフィンガーにはこう言ったよ。

「いいかい、このデモはすごくいいから、何もいじらないでこれをそっくりそのままコピーするんだ。

人がやったのをコピーするだけじゃ物足りないかもしれないが、これはヒット・サウンドだ。

このとおりにやれば大丈夫、必ずヒットする。

どうせ誰にもわからないさ。もし何か言われたら『うん、ポールがアレンジしたんだ。でも別に構わないだろ』って言ってやればいい」。

(このポールのデモの2曲のうち「カム・アンド・ゲット・イット」はビートルズの「アンソロジー3」で聴けます)

このように、「バッドフィンガー」がアップルに求められたことは、絶対的なヒット曲である。

バッドフィンガーも、前作の失敗があるので、この要求を呑み、ポールのデモをそのままなぞるようにコピーしました。

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この曲は期待通り、全英で4位。全米で6位(7位というデータもあるが)というヒット。

シングル マジッククリスチャン

同時期にアルバム「マジック・クリスチャン・ミュージック」を発売。

マジック・クリスチャン・ミュージック 表

名義こそ「バッドフィンガー」だが、録音はアイビーズのメンバー。

収録曲も、アイビーズの前作から6曲を収録。

結果、6曲はトニー・ビスコンティーのプロデュース。

7曲がマル・エバンズのプロデュース。

1曲がポール・マッカートニーというものになっている。

前作は日本、ドイツ、イタリアだけの発売だったので、本国ではかまわないということだろう。

シングルヒットを飛ばし、アルバムを売る必要が、財政難のアップルにはあったのだ。

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メンバー交代

このアルバムの発売直前に、ベースのロン・グリフィスが(イビり出されて)脱退。

代わりに、日本でもレコードを出していた、元ゲイリー・ウォーカー&レインのギタリストジョーイ・モーランドが加入。

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スプーキー
右から二番目がジョーイ。


孤独な影
左下がジョーイ。

(日本でも人気が高く、未だに「ウォーカー・ブラザーズ」のファンサイトも多い)

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ギター、ボーカルのトム・エヴァンスがベースにシフト。

急な交代劇で、アルバムの裏ジャケットにはジョーイを除く3人のみの写真。

マジック・クリスチャン・ミュージック 裏

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ビートルズの弟バンド

バッドフィンガーのジョーイもトムもリバプール出身。

ピートはウェールズ、ビートルズに感化されバンドを始める。

同時期のロンドンで流行のブルース・ロックではなく、あくまで手本はビートルズだった。

彼らの音楽はビートルズというより、ポール直系の素直なポップである。

ビートルズにはジョンという、良い意味での「毒」が作用して、ビートルズを単純なヒットグループにはしていない。

セプンスを強調した「アイ・アム・ザ・ウォ。ラス」や、「ドント・レット・ミー・ダウン」のように歌詞に無理に符割りして出来る変拍子などの「毒」はバッドフィンガーには無い。

この後訪れるムーブメント。

T-Reや、フリーやツェッペリン、いわゆるニューロックといわれる「子供には判るまい」的なロックのムーブメントに乗り遅れることになる。

(T-Rexはアイドル的だが、「毒」という部分の「非正等」さでは群を抜く。「呪術的な毒」と言ってもいいだろう・・・)


ジョーイのハードなギターの加入だけではこの辺の克服は出来なかった。

が、「アク」が強くない分、誰からも好かれた。

平均的な優等生という感じで、嫌う人間が居ない分、彼らに深さを問うファンが少なかったのが致命的な部分だろう。

「ビートルズの弟バンド」というレッテルは名誉のようであるが、既にビートルズは「アビーロード」を出して解散状態。

ムーブメントとしては古いものになりつつあった。

ジョンが「カム・トゥゲザー」で示した70年のロックの有り方を、バッドフィンガーが理解していればと思うが、それだと僕の愛するバッドフィンガーではなくなるし・・・

ただ、数々残るライブの音源では、バッドフィンガーがいかにラウドなバンドだったかが判ります。

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メンバー交代の話をしましたが、このアルバムではジョーイは無関係。

僕も名義はバッドフィンガーになっていますが、「バッドフィンガー」として実質のファーストは次の「ノー・ダイス」と思っています。

マジック・クリスチャン・ミュージック(紙ジャケット仕様)マジック・クリスチャン・ミュージック(紙ジャケット仕様)
(2005/02/23)
バッドフィンガー

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1.マジック・クリスチャンのテーマ
2.クリムゾン・シップ
3.いとしのアンジー
4.フィッシャマン
5.ミッドナイト・サン
6.美しく青く
7.ロック・オブ・オール・エイジス
8.明日の風
9.愛のとりこに
10.雨の散歩道
11.アンジェリーク
12.ノッキング・ダウン・アワ・ホーム
13.ギブ・イット・ア・トライ
14.メイビー・トゥモロウ

ボーナス・トラック
15.ストーム・;イン・ア・ティーカップ
16.アーサー

「Come And Get It 」

携帯で見る。

このクリップでピートのしている腕時計。

アップルのプロモーション用に50個だけ作られたという幻のアップルウォッチです。

アップル腕時計


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ここまで本作をあまり誉めたよう書いていませんが、それでも、注目すべき曲が他にもあります。

シングル 明日の風

邦題「明日の風」。

原題は「Carry on Till Tomorrow」。

映画「マジック・クリスチャン」にも挿入されたセンチメンタルな曲。

このシングルは日本独自にシングルカットされヒットしました。

カップリングが「ウィズアウト・ユー」となっているところから、次の「ノーダイス」発表以降にシングルカットされたんだと思います。

「Carry on Till Tomorrow」


携帯で見る。

その昔、結構ラジオで鳴っていました。

初期のバッドフィンガー(実質アイビーズ)では好きな曲です。

僕はピートのほうが好きなのですが、トムのボーカル曲では一番好きな曲です。

どこまでも美しい、特に間奏のギーターの美しさ・・

まだ、トムがクローズアップされる曲はあまり紹介してていませんが・・・・

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パワー・ポップ、ハード・ポップの祖として「バッドフィンガー」を紹介していますが、ここまではまだハードさには欠けます。

ビートルズ・ファンが「カム・アンド・ゲット・イット」聴きたさに購入して、いまいちの感じがしたのは、このアルバムでは本領発揮出来ていないからです。

が、アップル側の彼らに与えた使命「ヒット・シングルを出す」は達成されました。





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