「次元パトロール」マーウィン・ジュニア作 / 中上 守 訳・原田維夫 絵
同出版社では挿絵を替えて版を重ねています。
イラストは山田 卓司さん。
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あらすじあるとき、ある場所で、世界が―時間と空間が、とつぜん二つにわかれる。
そのわかれめがうまく見つかれば、別の時間の別の世界にいけるかもしれない。
そしてこちらの世界にないものを、あちらの世界からもって帰ることができるかもしれない。
マックとエルスペスは週刊誌「ピクチャー・ウィーク」の特派員。
すでに無くなった灯台が、時々現れるという島の噂を聞いて取材に出かけた。
その灯台が現れてた後は良くないことが起こるという話らしい。
二人はその灯台が出るという島へ渡る。
二人を闇が包む。
島にあるやしきにたどりつくと、一人の少女が、
「エルスペス・マリナーさんとマック・フレーザー」さんですね。どうぞお入りください」
驚いたことに、二人の名前を知っている。
やしきの主人、オレーユの前に通された。
オレーユの話とは?
二人の冒険はここから始まった。
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感想最初は、海外の歴史的なこともあるので、とっつきにくいかな?
と、思いましたが、あっという間に読め、楽しかったです。
もっと小さい頃、「多元宇宙」という概念のないころに読めればどんなに楽しかったことでしょう。
「多元宇宙」のなりたちは、この本では語られません。
登場人物の知恵、勇気、信頼などがポイントとなっているお話。
原作はもう少し、スリラー仕立て。
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サム・マーウィン・ジュニア(Samuel Kimball Merwin Jr., 1910年4月28日-1996年1月13日)
1940年、マーウィンは最初の作品Murder in Miniatures(ミステリー小説、未訳)を出版した。
1945年から51年の間、彼は「スタートリング・ストーリーズ誌」と「スリリング・ワンダー・ストーリーズ誌」の編集長としてSFの分野でのみ有名になった。
当初、マーウィンは前任の編集長オスカー・J・フレンドから受け継いだペンネームの「土星軍曹」("Sergeant Saturn")として、後には単に「編集長」("Editor")として活動した。
彼の正体は一般読者には6年間も未知のままに保たれた。
彼はまた1950年から51年の間、「季刊ファンタジック・ストーリー誌」の編集も行なった。
自由契約の作家になるために、マーウィンは1951年に編集の職を辞した。
しかし彼のミステリーとSFの本は、商業的にも評論的にも、控えめな成功を見たに過ぎなかった。
SFブームの只中であった1953年、彼は短期間「ファンタスティック・ユニヴァース誌」の編集に携わった。
そして1953年から54年には「ギャラクシー・サイエンス・フィクション誌」の副編集者を務めた。
本書は 『多元宇宙の家』(1951年)を児童向けにしたものです。
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中上 守(なかがみまもる)
1930年東京に生まれる。
主として、英米文学の翻訳に従事。
少年文芸作家クラブ会員。
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原田維夫(はらだつぐお)
1939年生まれ
生地:東京
氏の版画などはよく目にすると思います。
今回の作品、版画による挿絵。
非常に好きな挿絵でした。
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