


70年代後半に流行したミニサイズのコンポ。
80年代のコストダウンしたものと違い、小さくても単品コンポを凌駕する性能で、80年代の「セットでないと機能しない」というものでなく単品でもアンプやスピーカー、チューナーなど販売していました。
先日亡くなられた小林亜星さんのCMで有名なテクニクスのコンサイスシリーズなどが代表格でしたね。
各社高級ミニコンポを出すなか、僕はダイアトーンの「μシリーズ」の2種類を所有しています。
発売の頃はまだ子供でしたが、後にオーディオショップで働いていた時の下取り品です。
80年代のミニコンポはセットじゃないと意味がないので下取り出来ませんが、「μシリーズ」は生産が終わっても人気があり、下取り価格があったのです。
写真の下に定価書いてますが、普通の単品コンポ並みの高額。
ミニコンポなのにプリとパワーが別れたタイプと一つランク下のプリメインアンプのタイプです。
「μシリーズ」はもう一つ最高機種があったのですが、現物を見たことありません。
オークションなどでたまに見かけますが、いまだに高額で手が出ません。
2セット所有しているので、当然スピーカーも2セットとなります。
スピーカーは単独でもかなり売れたDS-5B。
これは「μシリーズ」では共通のスピーカー。
今回のメインの話は、小さいのに一本26,000円もした、重さが一つ3.6キロもする、金属の箱で作られたDS-5Bの話。
各メーカーが当時流行りで作った金属のエンクロージャーの、通称「鈍器系スピーカー」。
いまだに一番人気があるのはDS-5Bと思います(手前味噌)。
密閉タイプの2ウェイ。
ですが、大音量でもしっかり鳴ります。
なんですが、ツィーターの故障率が高い。
ドーム内からボイスコイルまでは極細の銅線で断線率が高いらしいのです。
僕の持っているのも片方ずつツィーターが鳴らない。
まともなのだけで一セットにすればとおもうでしょ?
実はこのスピーカー、シリアルナンバーがついてます。
それをするとシリアルがバラバラで、オーディオマニアには許せん事態となります。
片方ずつ鳴らないので永らく放置してましたが、ひらめきました。
ツィーターを移植して、まともなセットを一つ作る。
そうすれば少なくとも一つのセットは鳴らせます。


で、写真4枚目のように、サランネットを外し、ツィーターを交換。
手の大きさと比較してスピーカーの大きさがわかると思います。
最初、スピーカーの後ろにネジがあるから、そちらで分解かと思ったら、まったく関係なかった。
約40年ぶりにDS-5Bの音が聴けました。
いまだに名器と言われるだけの音質でした。