以前紹介したオールローズのテレキャスター。
http://cheerdown.blog7.fc2.com/blog-entry-1169.htmlhttp://cheerdown.blog7.fc2.com/blog-entry-2761.htmlこのギターを憧れるキッカケとなった、ジョージが使っていたから・・・
ジョージの手元を離れ、デラニー・ブラムレットの物となり、現在ジョージの家族の元へ戻ってるはずですが、なかなか情報が無いと思っていたら、動画を発見しましたので・・・
フェンダーがジョージにオール・ローズウッド・テレキャスターを贈ったのは、1968年後半のことでした。
フェンダーではアーティスト・プロモーションに力を入れ始めていた時期でした。
フェンダーが選んだアーティストは、ジミ・ヘンドリックスとビートルズでした。
ジョージ・ハリスンとジミ・ヘンドリックスのためにフェンダーは、特別な物を作ろうと考え、その素材に選んだのがローズウッドだったのです。
ビートルズに対しては、1968年後半にまとめて様々な機材を贈っています。
ツイン・リバーヴ・アンプ、デラックス・リバーブ・アンプ、ベースマン・アンプ、新型のPAアンプ、さらにベースVI(6弦ベース)、ジャズベース、そしてオール・ローズウッド・テレキャスターというラインアップが、ビートルズにプレゼントされたのです。
これらの機材は、映画『LET IT BE』の中の演奏シーンで使われていました。
1968年にフェンダー社は3本のローズウッド製テレキャスターを製作しています。
その第一号機がジョージの手に渡ったあのギターでした。
言わばプロトタイプだった訳です。
そのために現行のローズウッド・テレキャスターとは、幾つかの相違点がありました。
ネックはワンピースではなく、ローズウッド材ネックに同じくローズウッドの指板を貼ったため、ネック裏のスカンク・ストライプがありません。
ヘッドにスパゲティ・ロゴが貼られていました。
またボディは、中空構造ではなく、ソリッドボディで、変形防止のためにメイプル材をサンドイッチのチーズのように挟み込んでいました。
塗装はクリアーのポリウレタンのサテンフィニッシュ仕上げ。
ネック・ジョイント・プレートには235594という製造番号が振られました。
ちなみにフェンダーは、ジミ・ヘンドリックス用にもオール・ローズウッド・ストラトキャスターを作ったのですが、ジミには渡せずに終りました。
ジミが急死したためでした。
ジョージ・ハリスンがこのギターを実際に使用していた期間は意外に短く、ほぼ1年間でした。
1969年夏に行われた『Abbey Road』のレコーディング・セッションまでは使用されていました。
しかし、その年末に、エリック・クラプトンが惚れ込んでイギリスに連れてきた夫婦デュオ、デラニー&ボニーに、ジョージまでもが惚れ込み、デラニー・ブラムレットにこのギターをプレゼントしたのでした。
しかし、ジョージも惜しくなり、デラニーに返却を求めましたが、デラニーに拒否されます。
以来、デラニーはこのギターを30年間所有し続けましたが、1999年にオークションに出品されました。
が、結局予定価格に達せず、オークションは不調に終りました。
そして4年後の2003年、再びオークションに出品されることになったこのローズウッド・テレキャスターは、最終調整のためにフェンダーのカスタム・ショップに持ち込まれました。
フェンダー・カスタム・ショップでは、このギターの調整時に詳細まで調査採寸しています。
またデラニー・ブレムレットが改造していたことも判明。
リアがハンバッキング・ピックアップ用に掘込まれていました。
さらにヘッド部分のストリング・ガイドの3弦4弦用が増設され、1弦2弦用が移設されていました。
これらの改造後のデータがフェンダーのカスタム・ショップに蓄積されているために、現在でも本物そっくりのレプリカが作られるようになったのです。
ちなみに、オリジナルのこのギターは結局、オークションでオリヴィア・ハリスンが落札しました。