
「
ヘイ・ジュード / 米国盤編集アルバム」より続く。
紹介してきた米国盤編集アルバムシリーズ。
「
ミート・ザ・ビートルズ」、「
ザ・ビートルズ・セカンド・アルバム」、「
ア・ハード・デイズ・ナイト」、「
サムシング・ニュー」、「
ビートルズ物語」、「
ビートルズ ’65」、「
アーリー・ビートルズ」、「
ビートルズ VI」、「
ヘルプ」、「
ラバー・ソウル」、「
イエスタデイ・アンド・トゥデイ」、「
ヘイ・ジュード」。
これに、英国オリジナルに準ずる「サージェント・ペパーズ」「ホワイト・アルバム」「イエロー・サブマリン」「アビー・ロード」「レット・イット・ビー」。
英国EPにシングルヒットをプラスしたアメリカ編集の「マジカル・ミステリー・ツアー」。
これらがアナログ時代のアメリカのファンが聴けるビートルズの音源でした。
今回の「THE U.S. BOX」、実は、なぜかアメリカ編集盤が一枚欠落しています。
それが「レアリティーズ Vol.2」。
当然、VOL.1もあるのですが、こちらはイギリス編集盤で、イギリスのファンにとってのレア音源集でしたが、アメリカ編集盤も販売していた日本では、あまり珍しい音源ではありませんでした。
「レアリティーズ Vol.2」と「Vol.2」とつけていますが、どちらも販売した日本で都合上つけたナンバー。
アメリカでは「Rarities」として販売。
アメリカではレアなトラックが入っています。
レアリティーズ Vol.2 / Rarities米国盤編集アルバム
1980年3月24日アメリカ発売/1980年5月5日日本発売
『ビルボード』誌全米アルバム・チャート最高位21位
国旗帯のタイトル
「あなたはこのアルバムに収められた作品の何曲をいままで聴いたことがありますか?
全14曲、いずれも今までに発表されたものとはどこか違う音をしたこれが本当の珍品集!!」
アナログA面
1.ラヴ・ミー・ドゥ
1962年9月4日録音のテイク。英国デビュー・シングル盤にのみ収録されていたテイク。マスター・テープは処分されてしまったため、リリースされたシングル盤を音源にしています。
2.ミズリー
英国オリジナル・アルバム「プリーズ・プリーズ・ミー」ステレオ盤に収録されたものと同じ。
アメリカでは Vee Jay盤「イントロデューシング・ザ・ビートルズ」に収録されたが、キャピトル盤「ジ・アーリー・ビートルズ」には収録されなかった。
3.ゼアズ・ア・プレイス
「プリーズ・プリーズ・ミー」ステレオ盤に収録されたものと同じ。
アメリカでは Vee Jay盤「イントロデューシング・ザ・ビートルズ」に収録されたが、キャピトル盤「ジ・アーリー・ビートルズ」には収録されなかった。
4.シー・ラヴズ・ユー(ドイツ語)
英国編集盤「レアリティーズ」に収録されたものと同じ。
アメリカでは初のステレオ・リリースとなる。
日本でも日本編集盤「ビートルズ No.5!」に収録されていたが、ステレオバージョンは英国編集盤「レアリティーズ」まで未発表。
5.アンド・アイ・ラヴ・ハー
西ドイツ盤「サムシング・ニュー」に収録されていたヴァージョンです。
エンディングの繰り返しが長い。
6.ヘルプ!
オリジナル・モノラル・ヴァージョン。
オリジナル・シングル盤で聴けるのもこのヴァージョン。
7.アイム・オンリー・スリーピング
英国オリジナル・アルバム「リボルバー」ステレオ盤に収録されたものと同じ。
米キャピトル盤「イエスタデイ・アンド・トゥデイ」収録のものは逆回転テープによるギターのフレーズが異なる(ただし日本盤「イエスタデイ・アンド・トゥデイ」はオーダーは米キャピトル盤と同じだが、音源は英国盤と同じ。)。
8.アイ・アム・ザ・ウォルラス
英国オリジナル2枚組EP「マジカル・ミステリー・ツアー」ステレオ盤に収録されたものに、米キャピトル・シングル盤「ハロー・グッドバイ」のB面ヴァージョンの間奏の一部をあらたに組み合わせて編集したもの。
米キャピトル盤「マジカル・ミステリー・ツアー」ステレオ盤に収録された「アイ・アム・ザ・ウォルラス」は冒頭が4拍なのに対し、英国オリジナルEPは6拍である。
米シングル盤「ハロー・グッドバイ」のB面ヴァージョンは間奏が数秒長い。
本アルバムのものは長い間奏部分だけを英国ステレオ・ヴァージョンに挿入したもの。
アナログB面
1.ペニー・レイン
エンディングにトランペットが入る。
通常ステレオ・ヴァージョンに、米国盤プロモーション・シングルに収録されたヴァージョンのエンディングをかぶせたもの。
アメリカでは「ペニーレイン」は初のステレオ・リリースであり、米キャピトル盤「マジカル・ミステリー・ツアー」には疑似ステレオ、米キャピトル盤「ザ・ビートルズ1967年〜1970年」にはモノラル・ヴァージョンが収録されていた。
2.ヘルター・スケルター
オリジナル・モノラル・ヴァージョン。
アメリカでは「ザ・ビートルズ」のモノラル盤はリリースされておらず、初のリリースである。
3.ドント・パス・ミー・バイ
アメリカでは「ザ・ビートルズ」のモノラル盤はリリースされておらず、初のリリースである。
4.ジ・インナー・ライト
アメリカでは初のアルバム収録。
オリジナル・モノ・ミックス。
5.アクロス・ザ・ユニヴァース
アメリカでは初のリリース。
アルバム"No Ones Gonna Change Our World"に収録されていたヴァージョンである。
6.ユー・ノウ・マイ・ネーム
アメリカでは初のアルバム収録。
7.サージェント・ペッパー・インナー・グルーヴ
アメリカでは初のリリース。
アメリカ盤『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』ではカットされていた。
このエンディングに収録されたノイズと会話に「サージェント・ペッパー・インナー・グルーヴ」というタイトルが初めてクレジットされました。
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ここで言いたいのは、もし、アメリカのファンが、「USボックス」と「サージェント・ペパーズ」「マジカル・ミステリー・ツアー」「ホワイト・アルバム」「イエロー・サブマリン」「アビー・ロード」「レット・イット・ビー」そして「パスト・マスターズ」を、当時のアメリカで発表されたアメリカ盤に思い入れがあるからと買ったとしても、「ミズリー」と「ゼアズ・ア・プレイス」の2曲を聴く事が出来ません。
やはり、アメリカのファンの立場に立てば、アメリカ編集盤が自分たちのオリジナル。
なのに、この「レアリティーズ Vol.2」が今回のCD化から漏れたのが納得できません。
この「レアリティーズ Vol.2」を買った時、この辺の事情がいまいち判って無かったので、この二曲はすでに持っていましたが、なにかテイクが違うのか?と勘違いしていました。
日本では英国盤「プリーズ・プリーズ・ミー」が発売されていたから既に音源を持っていたのに「レアリティーズ Vol.2」というだけで、そう思い込んでました。
元は「ヘルター・スケルター」のモノテイクに惹かれて購入でした。