世間は夏休み。
僕の住む倉敷市といえば「白壁の町」として観光地でもあるが、それとは別に人が増えている。
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早朝から一眼のボディーに300mmの望遠レンズをマウントした少年たちが線路沿いにチラホラ。
彼らのお目当ての被写体は「水島臨海鉄道」の車両である。

(クリックで画像が大きく見れます)
地元では「ピーポー(特に女子高生がこの呼称で呼んでますが、『ピーポー』と、この車両から音が出たところを聞いたことが無い)」とか「臨鉄」と呼ばれている鉄道である。
水島工業地帯に全国からの物資を搬入したり、水島港に届いた物資を逆に倉敷駅まで搬出し全国へ届けるために一役買っている。
旅客車両もあります。
それがなぜか人気。
その秘密が今日判明。
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僕が昼間に出かけていると、朝見かけた少年たちを別の線路沿いで見かける。
いろいろなシーンから撮影しているようだ。
また、少年たちとは別に、重い本格的な三脚に機材を担ぎ、線路沿いを「倉敷駅」から「浦田駅」という場所まで結構な距離を歩いている僕より10歳ほど年上の男性。
黒い鞄にカメラも二台、レンズも何本も・・・
三脚もアルミの軽いやつではなく、ドッシリとした作り。
レンズが長いから、三脚のカメラが倒れないよう、レンズ用の三脚まで担いでテクテクと。
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なぜそこまで「水島臨海鉄道」が人気なのか、現在地元にいる僕も知らないので、思いきって声を掛けて尋ねてみた。
聞いてみると、もともと70年代に国鉄と倉敷市などの共同出資で出来た「水島臨海鉄道」。
現在走っている車両は、旧国鉄時代のものを買い取ったもので、全国の鉄道マニアの憧れの車両らしい。
しかも、展示されているのではなく、元気に働いているところに「愛おしさ」を感じるらしい。
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で、「水島臨海鉄道」には何車両かあって、キハとか、色々説明を受けたがまったく判らず。
また、貨物を牽引しているディーゼル車両も実は人気らしい。
それらの車両たちの「元気に働いている姿」を外から「ベスト」な感じで全て写そうとすると、まず全線を歩いて撮影個所を探すようになる。
この炎天下、まったく苦ではないらしい。
また、実際に乗車して車窓から景色を撮ったり、運転席の横から前進する車両の風景を動画に撮る人もいるらしいです。
それらを全てこなすと、一日だけでは無理だとかで、宿も取っているんだそうだ。
この男性は、ご家族に「倉敷へ観光に行こう」と誘い、家族を「美観地区」に取り残し、機材を担いで炎天下を一人で線路沿いを歩いているとか。
エライ!
大型休暇を取り、趣味に「一生懸命」で、念願の倉敷の「水島臨海鉄道」だったとのこと。
地元の活性化に一役買っていた「水島臨海鉄道 」恐るべし。
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私鉄オリジナルの車両ではなく、旧国鉄時代の車両が現役で活躍しているゆえの人気だった。
10年も住んでて、初めて知ったことがらに「ハドゥカシー」と思った。
「オタク」ってもっと「夢見がち」で「インドア」のイメージがありましたが・・・
「最近は『マニア』も『オタク』で片づけられて困る」とのこと。
カメラにも精通していないといけないし、パソコンにも精通していないといけなく、またその人はNゲージのコレクターでもあり、Nゲージを使ったジオラマ作りに手先も器用でないといけないらしい。
お仕事は聞かなかったが、この趣味が高じたゆえのお仕事らしい。
「本当はHOゲージで集めたかったけど、集め出した学生時代は金が無くNゲージスタートだったから、統一させるためにね」
と、笑ってらっしゃいました。
なんのことやら判らない話が大半でしたが、考えてみれば「オタク」という言葉の無かった70年代、子供だった僕でも「大人のホビー」という認識ありましたからね。
今回の写真から「水島臨海鉄道」の「車両」と「ジオラマ」も再現するそうな。
それが「仕事」に役に立つならご家族もいたしかたないだろう。
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実は「水島臨海鉄道」って景気が良いのか悪いのか判りませんが、乗車するたびに気が付くのが、毎年新人が増えているということ。
「なんでここに就職?」
現在なんか、女の子の車掌さん(ラッシュ時のみで、通常はワンマンです)までいます。
ひょっとしたら鉄道マニアの憧れの就職先なのかもしれません。
先のカメラを持った少年たちも、そういう熱いものを持っているのでしょう。
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昔そういえば、京都にいるころキャノンの「AE-1」を買ったのは、梅小路から山陰線を走るSLを写すためだった。
それから興味がカメラの方に移行して、最後に「EOS-10」を持ったのが最後。
ボチボチとお小遣いためて、また一眼レフを買い、街の風景なんかをブログにアップできたらいいなぁ。
最近は安いデジカメや携帯のカメラ機能(上の写真も携帯)で済ましていたんだけど、ブログしているんだし、せっかくのデジタル時代なんだしね。
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倉敷の人は、この時期特に多い「水島臨海鉄道」の周りにいるカメラを持った人の話を聴けば、ふだん何気に気にしていない「水島臨海鉄道」の素晴らしさを教えてもらえますよ。
水島臨海鉄道株式会社ホームページhttp://www.mizurin.co.jp/