
1. レイ・ミー・ダウン
2. ヘイ・ミスター・マネージャー
3. キープ・ビリーヴィング
4. パスド・ファスト
5. ロックンロール・コントラクト
6. サヴィル・ロウ(インストゥルメンタル)
7. ムーンシャイン
8. バック・アゲイン
9. ターン・アラウンド
10. ロッキング・マシーン
ディスク:2
1. タイム・イズ・マイン(インストゥルメンタル)
2. スモーキング・ガン
3. オールド・ファッションド・ノウションズ
4. ナッシング・トゥ・ショウ
5. ユー・アスク・ユアセルフ・ホワイ
6. キープ・ユア・カントリー・タイディ
7. トゥ・セイ・グッドバイ
8. クイーン・オブ・ダークネス
9. アイ・キャント・ビリーヴ・イン
10. サンクス・トゥ・ユー・オール
11. レイ・ミー・ダウン(デモ)
2000年にいきなり発売された、バッドフィンガーの幻のアルバム「ヘッド・ファースト」。
日本盤は「初回限定紙ジャケット仕様」となっていたが、「初回」だけ「紙ジャケ」の意ではなかったようで、「ヘッドファースト」の日本盤自体、初回プレスで販売完了だったようである。現在は高値で取り引きされている。
ディスク二枚に分け、一枚目で当初のマテリアルだけにしている点はポイント高い。
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この「ヘッド・ファースト」の収録曲のうち4曲は、1990年、ライノより発売の輸入盤「The Best of Badfinger, Vol. 2」に収録されていました。
この4曲聴きたさにネットショッピングの無い時代にファンは輸入盤屋を廻りました。
(ブートなみのジャケの悪さに一瞬オフィシャルではないのでは?と躊躇しますが・・)
リミックスなども違うので、ファンは要チェックです。
「Vol.1」が無いのに「Vol.2」になっているのはアップルのベストを「Vol.1」とみなしているのでしょう。
ジョーイも当時「なんでいきなりVol.2?」て言ってましたが・・・
録音の経緯は以前の記事参照。
前作録音後、一時ピートが脱退。
ボブ・ジャクソンがエリック・クラプトンのサポーティング・ツアーから、ギタリスト、キーボードとして加入。
ピートが戻り、ピートの優柔不断さに嫌気がさした74年11月にジョーイが脱退。
ハム、エヴァンズ、ジャクソン、およびギビンズで、「素敵な君」がリリースされたすぐ後に次のアルバムをレコーディングするために再び集まった。
74年12月にアップル・レコーディング・スタジオで録音されたアルバムが「ヘッド・ファースト」である。
その後、ワーナーからの起訴、ワーナーから出ていた前2作の回収騒ぎ。
せっかく今回録音した「ヘッド・ファースト」も、この状況では世に出ません。
悲観したピートはこの世を去ります。
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ジャケットタイトル「HEAD FIRST」。
未完のアルバムにトム・エバンスは「HEAD FIRST」というタイトルをつけ、アルバム・カバーには吠えるライオンの口にバンドのメンバーが飛び込んでいくいくところをシンボライズしたものを望んだ。
(英文ライナーより)
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2000年まで25年間封印されたアルバム。
ただの資料的に思ったら大間違い。
ファンの間でも、その出来栄えの素晴らしさに驚きの声が多く聞かれる。
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スタジオ作品の発表順だと『SAY NO MORE (1981)』というバッドフィンガーとは名ばかりのB級バッドフィンガーの名義の作品の次に紹介ともおもったのですが、録音順の紹介にしました。
はじめて「HEAD FIRST」を聴いたとき、既に彼らの悲劇は周知でした。
しかし、一曲めからそんな悲劇を迎えるバンドとは微塵も感じさせない疾走感で走る「嵐の恋」以上に僕の心をつかんだピート作の「レイ・ミー・ダウン」。
長年生き別れをしていた恋人に再会したような気持ちとでもいうのでしょうか、僕は涙が止まりませんでした。
キャッチーで明るい曲なのに・・
(「The Best of Badfinger, Vol. 2」で既に聞いていましたが、ミックスが異なり格段に「ヘッド・ファースト」の方がカッコイイし音圧が圧倒的に違う)
このアルバムがポンコツな出来ならここまで泣けなかったでしょう。
ここまで良い作品だったとは思いませんでした。
ゴロゴロあるツマらんCDならコレはお勧めのロックの隠れた名盤です。
ジャニスの「パール」もジャニスの死後に発売のアルバムですが、ゴシップ的な要素を剥いでも充分名作。
それは周知のことですが、この「ヘッド・ファースト」も、もし発掘が2000年でなく、1975年に発売されていれば、絶対に重要なロックアイコンになった作品だと思います。
「バッドフィンガーに駄作無し!」