20世紀少年<最終章> ぼくらの旗【 製作年 】 2009年
【 製作国 】 日本
【 配給 】 東宝
【 スタッフ 】
監督・脚本:堤幸彦
プロデューサー:飯沼伸之 / 甘木モリオ / 市山竜次
エグゼクティブプロデューサー:奥田誠治
原作・脚本:浦沢直樹
脚本:長崎尚志
撮影:唐沢悟
編集:伊藤伸行
美術:相馬直樹
音楽:白井良明
照明:木村明生
録音:鴇田満男
【 キャスト 】
唐沢寿明
豊川悦司
常盤貴子
平愛梨
香川照之
石塚英彦
宮迫博之
藤木直人
古田新太
森山未來
小池栄子
黒木瞳
他
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あらすじ“ともだち歴3年”の2019年、世界は世界大統領として君臨する“ともだち”に支配され、殺人ウイルスがまん延する東京は壁で分断。
都民の行動は完全に制限されていた。
そんな中、カンナ(平愛梨)は反政府組織として武装蜂起する一方、“血の大みそか”以降、行方がわからなくなっていたケンヂ(唐沢寿明)が突然現われる。
キャッチコピーにもなっていた「もうひとつの 結末。もうひとりの ともだち。」 の意味が今判る。
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感想原作を読んでいる人にも観てもらい映画。
いや、原作を知っているからこそ観てもらいたい・・・
正直、映画版の前2作は、原作を端折っているので、原作よりミスタリー感が薄かった。
原作は後半からラストがスッキリしなかった部分があるが、映画は逆。
スッキリしなかった原作ゆえ、原作越えした作品。
(浦沢さんゴメンなさい・・・)
「20世紀少年<最終章> ぼくらの旗」を映画化したいがために、前2作はあったとしても過言ではないだろう。
なぜそう思うかといえば、原作の全24巻(「20世紀少年」22巻「21世紀少年」上下巻、計24巻)の16巻からを今回映画化。
割合がかなり大きい。
原作至上主義で、前2作を観ていない人も15巻まで読んで観にいけば理解出来る。
それでも、原作からすれば、ボリュームがあるので、エピソードを回想にしてしまっている部分も多い。
が、それでも「ともだち」がなぜ「彼」だったかという部分はジックリ作ってある。
てか、前半は原作の方が良いし、後半は映画の方が良かったので、15巻まで読んで映画に行くのがベストと言ったら怒られるだろうか・・・・
後、映画の良いところは、音があるところ。
原作では想像でしか判らなかった音楽のカッコ良さが想像を超えて耳に入ってくる。
原作しか知らない人で、未だに重要アイコンとなっているT-REXの「20th Century Boy」を判らないという人もいた。
漫画の悲しいところは「音」を伝えるのが難しい点。
ネタバレ覚悟でいうなら、劇中、ケンジがバイクで颯爽と現れるBGMでもこの「20th Century Boy」は使われる。
その音量に鳥肌。
こういうのは原作では不可能だし、嬉しかった。
好きな曲ではあるけれど、映画館の大音量で聞いて、これほど「カッケー!!」と思うとは・・・
DVDが出たらレンタルで、とか、テレビですれば観るという方もいるだろうが、この映画、ロックがキーワードにもなっている。
やはり、爆音でロックですよ。
当時の若者いわく「シビレちゃったー」っていう言葉の意味が理解できる。
そう、ロックって論ずる前に、シビレちゃったんだよね・・・
当時の文化を本で知るより体感して欲しい。
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あーだこーだいったが、原作を重んじてしまう自分ではあるが、映画の終盤の展開は秀逸。
マスターの評価。
★★★★☆っつ。